田舎に暮らす

生まれてから大人になるまで、東京のベッドタウンに住み、高校から東京へ通い、大学を出て東京の設計事務所に勤めました。

四谷の迎賓館のそばにあった事務所で、がむしゃらな修行の毎日だから、何事も東京が中心であることに少しも疑問を持っていませんでした。

30歳を過ぎて、高知市内で病院の設計を担当した時、度々出張で訪れる高知のまちや自然の心地よさ、食べもののおいしさ、人々の温かさを知りました。

ここにも東京と同じ人々の暮らしがある。でも東京のような絶望的な交通渋滞や、人口過密の息苦しさがない。市内中心部から30分も車で走れば、大自然の中に身を置くことができるのです。

心のどこかに、地方の田舎に住むのもいいなという意識が生まれたのは、その頃だったかもしれません。